男と女の「おかしな!?」ハナシ
あなたの身の回りにも時々起こる、
「これってどうなの?」
「おかしくない?」という話。
このコーナーでは、毎回、
「男と女のちょっとおかしな!?ハナシ」を、つぶやいてもらいます。
女の子なのに理系?
今回のつぶやき主は、高1のかおるさん。
明日学校に出す進路アンケート用紙を前にして、理系・文系の選択に迷って相談しています。
かおる「成績は文系も理系も同じくらいなんだけど、理科の授業の方が何となくおもしろいから、理系にしてみようかなぁ」
おばあちゃん「え、女の子が理系なんて……」
お母さん「卒業した後どうするの? 何かしたいことがあるの?」
かおる「何ってことはないんだけど、おもしろそうかなって。文系を選んだって特になりたいってものはないし」
お父さん「大学の理系学部は男性がほとんどだって聞くぞ。女性は男と違って理系には向いていないんじゃないか? 苦労するだけだと思うな」
かおる「う~~~~ん、そんなものなのかなぁ。じゃぁ文系で出そうかなぁ」
◆かおるのつぶやき・・・
みんなに言われて進路アンケートは一応文系で出したけど、なんかモヤモヤするなぁ。
お兄ちゃんの時には、就職のために理系の方がいいって勧めてたのに・・・。
私は、よっぽどの思いが無いと理系を選んじゃいけないの?
なんか変だなぁ。
◆お母さんのぶつやき・・・
お兄ちゃんが言ってたけど、理系の学部は大学院に行く人が多いって。
女の子がそんなところに行って結婚できなくなったらどうするの。
◆兄しんじのぶつやき・・・
行きたかったら理系に行けばいいのに。
女性も理系の方が就職いいってよく聞くし。
◆進路アンケート用紙を見た先生のつぶやき・・・
えっ! 文系希望にしたのか、もったいないなぁ。
理系で伸びる子だと思ったのに。
理系の方が能力や可能性を活かせる気がするのになぁ。
【ミニ知識】
日本の大学では、理工系学部の女性の割合はわずか15%弱です。(文科省H23学校基本調査より)。ところが欧米では4~5割が女性です。
『科学を選んだ女性たち』という本で東京理科大学のスピンクス教授は『政府や企業が、女性に科学を選んでほしいと願っている』と書いています。事実、国内で以下の活発な動きがあります。
国・・・日本が高い科学技術レベルを維持し、国際競争の中で生きていくには「少子高齢化と人口減加え、日本は欧米に比べて研究者全体に占める女性の割合が低いこと、女性研究者が上位の職に就きにくいことが問題」として、
第4期科学技術基本計画で女性研究者を早期に増やすことを数値目標と共に明記。
JST(科学技術復興機構)が女性研究者も能力を発揮できる環境作りを率先して進めている。
企業・・・多数の企業が女性研究者の研究活動を支援する助成金を創設。また、未来の女性科学者の卵たちの実態を明らかにする
『リケジョ(理系女子)』 意識調査の実施(日本ロレアル)、理系女子のための進路相談サイト
「Rikejo(リケジョ)」開設(講談社)、理系進学を考える女子中高生への支援事業
「出前授業」(資生堂)など、リケジョの育成に力を入れている。
大学・・・JSTの意向を受け、
女子中高生の理系進路選択支援事業、
女性研究者育成・採用・就職に関する各種支援等を行っている。神戸大学の
「再チャレンジ女性研究者支援神戸スタイル」は必見。
スピンクス教授は、最終的に贈りたい言葉として「文系と理系のどちらに進むべきかと迷っているのなら、まず理系へ進みなさい。どうしても合わないのなら後でいくらでも修正ができるからね」と章を結んでいます。
伊丹市では、8月26日(日)にラスタホールで「リケジョフォーラム」があります。
女性も理工系で活躍しやすいようにと様々な工夫をおこなっている大学側の話や、リケジョの大先輩の話も聞けます。ちょっとのぞいてみませんか?
定員70名。お申し込みはラスタホール(Tel 072-781-8877)へ。
火曜日休館です。
横からちょっと言わせて
伊丹市役所で2度育児休暇を取得した
男性・大野浩史さん
理系は男、文系は女という社会の「常識」の中で、これまで結構多くの女子が理系をあきらめてきたかもしれません。
それがまた「女は理系に向かない」という偏見に結びついてきました。趣味の世界では歴史好きの「レキジョ」、登山を楽しむ「山ガール」、一眼レフを操る「カメラ女子」、鉄道オタクの「鉄子」・・・。
男性の領域と思われてきた分野への女性の進出が盛んです。
原稿担当 : 男と女の「おかしな!?」ハナシ 実行委員会
イラスト : 林やよいさん