男と女の「おかしな!?」ハナシ
SexchangeDay~男女が制服を交換してみると~
あなたの身の回りにも時々起こる、
「これってどうなの?」
「おかしくない?」という話。
このコーナーでは、毎回、
「男と女のちょっとおかしな!?ハナシ」を、つぶやいてもらいます。
「男女らしさ」の制服から離れてみる?
今回のつぶやき主は高校生の大輝さん。
寒い朝に学校の教室で、
制服について友達と話をしています
明菜 :おはよ~、寒いね~。
風が強いし、制服のスカートがめくれて大変。
瞳 :アタシ、下にジャージはいて来たもんね~(笑)。
繁 :ウチの校長さぁ、「自分らしさを大切に」って毎回言うけど
制服なんて「男らしさ」「女らしさ」の押し付けやで。
大輝 :なぁ、男女で制服を交換して、1日だけ過ごした公立高校があるの知ってる?
生徒が企画した行事らしいけど、参加した希望者は4割もいたんやって。
瞳 :へぇ~やるなぁ。メチャおもしろそうやのに、6割の生徒は参加しなかったんや。
もったいない(笑)。
明菜 :人の制服を着るのに抵抗がある子も、いるやん。
でも、何で制服交換をすることになったん?
大輝 :いつも先生から「受身的で固定的な思考の枠組みを外せ」って
言われている生徒らが、
じゃあ、一番身近な「男女らしさ」から離れよう~って考えたんやって。
アンケートをとって、衛生面なんかの不安をクリアして、先生を説得したらしいわ。
教頭だけが、最後まで反対やったらしいけど(笑)。
繁 :女子はさぁ、私服でズボンを着れるけど、男子はスカートはきたくても無理やん。
希望者みんなでやろうっていうのは、メッチャ貴重な機会やで!
ウチの学校でも、やらへんかなぁ。
瞳 :やりたかったら受身じゃなく、
自分で企画して、周りを説得しろや~ってことやろ?(笑)
◆明菜のつぶやき・・・
ウチの学校で制服チェンジの企画があったら、どうかな~、私は参加しないよなぁ。
そんなにまで困ってないし、今のままで別に良いわ。
◆瞳のつぶやき・・・
全国にはいろんな高校生がいるんやね。
頭で考える人はいっぱいいるんやろうけど、ホンマに実施してしまう行動力にメチャ尊敬!
普段から先生が「枠組みを外せ」って言ってるなんて、そこもすごいよなぁ~。
学校を選ぶ時って、校風もちゃんと見ないとアカンのかもなぁ。
◆繁のつぶやき・・・
スカートって、ちょっと興味あるねんな~。どんな感じやろ?
女子は、いろんな恰好が自由にできて、うらやましいわ。
女子って、仕事でも趣味でも何やっても受け入れてもらえるやん。
ボクは、ケーキ作りが好きやけど、あんまり人には言ってないねん。
◆大輝のつぶやき・・・
制服の「男らしさ」「女らしさ」から離れる発想って、スゲーなー。
社会の問題を解決するためには、「あたりまえ」の存在に気付くことが必要で、そのために企画した「制服チェンジデー」っていうやんか。
ホンマ、やりよるなぁ。オレも同じ高校生として、しっかり自分自身を見つめ直してみるわ。
【ミニ知識】
『SexchangeDay』~男女が制服を交換してみると~】
SexchangeDayとは、制服を変えることで、「男らしさ」「女らしさ」という“あたりまえ”を変え、非日常に身を置くことで、新しい視点と感覚を得ようというプロジェクトです。
《目的:自分の状況を変え、視点を変えることで新しい視点を持つ》
私たちは、たくさんの「あたりまえ」に支えられて生活しています。
そんな日常の中で、自分の思考を停止させている高校生がいるのではないでしょうか。
「あたりまえ」の延長線上には明るい未来は見えません。
今、私たちに求められているのは「あたりまえ」から離れてみること。
そこに問題解決に向けた希望があるのです。
日常の中にある「あたりまえ」や「常識」に疑問を持ち、自分と世界を見つめ直す日。
それが、SexchangeDayです。
(Webサイト、山梨県立富士北陵高等学校建築デザイン系列の取り組みより)
横からちょっと言わせて
今井小の実さんのコメントは、今号で最後になります。
2013年5月より、楽しくためになる文章を寄せて下さり、ありがとうございました。
専業主婦もパートも経験した
関西学院大学人間福祉学部教授
今井小の実さん
私のゼミ生で、ファッションとジェンダーを卒業研究のテーマに選んだ学生がいました。
ココ・シャネルが身体を縛っていたコルセットから女性を解放し、その社会進出にも貢献したことはよく知られていますが、それよりはるか昔から服装とジェンダーの歴史は密接にかかわってきました。
制服の交換が高校生の価値観、考え方にどのような変化をもたらすのか、効果のほどはわかりませんが、男女の服装について文化の違う国の基準や歴史的な変化について知る機会があれば、さらに服装とジェンダーの関係がはっきりと理解できるのではないかと思います。
このコーナーの読者の皆様が、ジェンダー問題の現在へのまなざしと同時に、少しでも歴史的なその形成過程に関心を持ってくださることを祈っています。
ジェンダーが文化的社会的に創られた性差なら、歴史的な理解は必ず要るマストアイテムだからです。
1年余り、このコーナーの担当をさせていただき、とても楽しい経験をさせていただきました。
その最終回に、私の専門分野であり、ジェンダーを学ぶ際に最も重要だと考えられる歴史について語らせていただきました。
今回、仕事の都合でこのコーナーを「卒業」させていただくことになりましたが、これからも隠れファンとして陰ながら応援していきたいと思います。
ありがとうございました。
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